【お金との賢いつきあい方を学ぼう】サイコロジー・オブ・マネー【お金の勉強】
こんにちは、アルゼー(@aluzee22)です。
突然ですが皆さんは、貯金や投資をしていて「本当にこれでいいのかな…」と不安になったことは無いでしょうか?
自分は「なんとなく」で貯金や投資をしていたため、「このままで大丈夫なのか?」「方法はこれで正しいのだろうか?」と不安になっていました。
このままではマズイと思い、いろいろと勉強していて出会ったのが本書『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない富のマインドセット(以下サイコロジー・オブ・マネー)』です。
本書に書かれている「お金との賢いつきあい方」を学べば、貯金・投資に抱いている漠然とした不安を解消することが出来るでしょう。
その理由は、本書には心理学や歴史から学べる「普遍的な教訓」が書かれているからです。
この記事では、お金・投資に悩みがある方に向けて、『サイコロジー・オブ・マネー』から学べる「お金との賢いつきあい方」について自分が印象に残ったポイントを紹介していきます。
紹介する本書のポイントは以下の3点です。
①人の考え・行動について:人の正しさはそれぞれの経験によって異なる
②お金について:お金の本当の価値は自由、目的が無くても貯金をしよう
③投資について:投資に絶対は無い、投資の代償は入場料と考えよう、合理的>数理的
なるべくわかりやすく解説していきますので、一緒に本書の魅力を見ていきましょう。
『サイコロジー・オブ・マネー』とは?
まずは『サイコロジー・オブ・マネー』の著者や本の情報、概要についてです。
著者
著者はコラムニストで現役の金融プロフェッショナルでもあるモーガン・ハウセル氏です。
詳しくは以下に引用します。
モーガン・ハウセル Morgan Housel ベンチャーキャピタル「コラボレーティブ・ファンド」社のパートナー。投資アドバイスメディア「モトリーフール」、ウォールストリートジャーナル紙の元コラムニスト。米国ビジネス編集者・ライター協会Best in Business賞を2度受賞、ニューヨーク・タイムズ紙Sidney賞受賞。妻、2人の子どもとシアトルに在住。
『サイコロジー・オブ・マネー』P324
本書の情報
訳者:児島修
発売日:2021年12月8日
出版社:ダイヤモンド社
ページ数:328ページ
定価:1870円(税込み)
概要
「お金との賢いつき合い方」について心理学や歴史の観点から解説した本です。
著者のモーガン・ハウセル氏はリーマンショック時にコラムニストとしてファイナンス(金融・資金・財政などの意味)の記事を書いた経験から、金融の問題はファイナンスではなく心理学や歴史の観点から見た方がよく理解できると考えるようになりました。
特に印象に残ったポイント
自分が感心したポイントについて要素ごとに3つにまとめてみました。
①人の行動・考えについて
②お金について
③投資について
1つずつ見ていきましょう。
①人の行動・考えについて
・おかしな人は誰もいない
人はそれぞれが違う世代・地域で生まれ、違う環境で働き、様々な度合の運を体験しています。
だから、お金のついての考え方も、一人ひとり違っていて当然なのです。(著者は、「ある人にとって相当おかしなことでも、別の人にとっては理にかなった方法であることがある。」と述べています。)
例えば、
宵越しのお金なんて持たない。稼いだ分は全部使うのが当然。
という人がいれば、
節約し貯金をすることが幸せ。
という人もいることでしょう。
正反対の意見ですが、どちらかが間違っているということはなく、その人の中では正しい意見なのです。
・人はみんな悲観論が好き
これは、悲観論が楽観論よりももっともらしく聞こえるためです。
その理由の一つは、人間は本能的に損失を極端に嫌う習性があるためだといいます。
例えば、もしもあなたが悩んでいるときに2人の人からこう言われたらどうでしょうか?
なんとかなるでしょ、大丈夫!大丈夫!
よくわからないけど、今のままではマズイんじゃない?
どちらの発言にも根拠はありませんが、悲観論者の意見の方がなんとなくもっともらしい感じがしますよね。
この本能に対応するには、悲観論を見つけても鵜吞みせず、まずはその情報が本当に正しいのかを調べて理解しようとすることが大事です。
・人は自分の信じたいものを信じてしまう
人は、自分にとって都合よく解釈し、予測したがる習性があります。
しかし実際には、他人の行動や運、自分がまだ知らないことなどが影響するため、自分が予想したとおりにはなかなかならないものです。
ここから学べることは、どんなに自信がある計画だとしても、不測の事態に備え失敗しても大丈夫な余裕(誤りの余地)を作っておくべきだということです。
②お金について
・お金の本当の価値
お金の本当の価値は自由であると本書では書かれています。
ここでいう自由とは、「好きなときに、好きな人と、好きなことができる」ということです。
お金があれば、例え給料が安くても好きな仕事ができるし、嫌いな人がいるなら会社を辞めて別の仕事を探す時間も持てるでしょう。
逆にどんなに好きなことでも自分でコントロールできないと辛くなるものです。
これは「心理的リアクタンス」と呼ばれており、人は他人から自由を制限するような指示をされると抵抗や反発を示してしまうものなのです。
自分もゲームをするのは好きだけど、他人からの強制でゲームをやらされたらイヤになってしまうかも……
・目的のない貯金もするべき
特定の目的がなくても貯金はするべきだと著者は述べています。
なぜなら、目的のない貯金が多くあるとその分取れる選択肢が多くなるためです。
選択肢が多ければ、不測の事態が起こった時への備えとなります。
1年くらい生活できるだけの貯金があれば、突然の解雇や減収があっても慌てる必要はなさそうですよね。
③投資について
・投資も含め物事に絶対はない、だから誤りの余地を持とう
歴史は未来への地図にはならない、歴史から学ぶのは一般論であるべきと著者は述べている。
長期のインデックス投資に関しても、過去の結果が良かったからといってこれからも良い結果になるとは限らないといえます。
この投資信託の過去の平均利回りは7%だから、投資計画も利回り7%の想定でいこう!
↑こういう考え方は危険ですね……
なので、誤りの余地を持ち投資計画を立てるときにはリターンを低めに見積もるようにしておいたほうが無難でしょう。
・この世に無料のものはない
これは、投資でリターンを得たいのであれば代償を払わなければいけないという話です。
ここでの代償とは信託報酬のような経費のことではなく、投資をしている間のボラティリティや恐怖、後悔に耐えること、絶えず市場に翻弄されることを指します。
例えば、米国の代表的な株価指数「S&P500」は2018年までの50年間で119倍に増えました。
これだけを見ると、投資して何もせずに50年待てば1万円が119万円に増えるんだと楽観的に考えてしまいますが、これは間違いです。
なぜなら、支払うべき代償を忘れているためです。
2018年までの50年間にはオイルショック、ブラックマンデー、ITバブル崩壊、リーマンショックと複数回の大暴落がありました。いずれも30%以上の下落が起きており、リーマンショックに至っては-56%にもなっています。
もしこの時に資産のすべてをS&P500に投入していたら、半分以下になった資産を見て不安や後悔を抱くのは当然でしょう。
それでも、長期的には株価は回復すると信じ、不安や後悔に耐えることが出来た人だけが119倍というリターンを得ることができるのです。
・合理的>数理的、「知らない企業」より「好きな企業」がリターンを生む
人は、最善策(数理的方法)ではなく、自分の腑に落ちる方法(合理的方法)を選びたがるものです
また、「まったく知らない(思い入れのない)企業」よりも「自分の好きな(思い入れのある)企業」に投資する方が良い結果になりやすいとも述べられています。
「好きな企業」への投資がリターンを生む理由は主に2つあります。
1つ目は、暴落などの困難な状況になった時に投資先に思い入れがないと代償を支払うのがイヤになり簡単に手を引いてしまうから。
2つ目は、不況時にも市場から退場せずに同じ戦略を貫くことが、長期的に投資のパフォーマンスを上げることにつながるためです。
本書に書かれているのは個別株投資の話ですが、インデックス投資でも「自分の中で腑に落ちる」ように知識をつければ長期投資の成功確率は上がると自分は受け取っています。
まとめ:普遍的な教訓を学びお金の悩みを解消しよう
この記事では、『サイコロジー・オブ・マネー』の中で自分が重要だと思ったポイントを中心に紹介していきました。
もう一度本記事の内容を振り返ってみましょう。
①人の行動・考えについて
・おかしな人は誰もいない
・人は悲観論が好き
・人は自分の信じたいものを信じてしまう
②お金について
・お金の本当の価値
・目的のない貯金もするべき
③投資について
・投資に絶対は無い、だから誤りの余地を持とう
・この世に無料のものはない
・合理的>数理的、「知らない企業」より「好きな企業」への投資がリターンを生む
「ただなんとなく」や「他人が言ったことを真似する」だけでも、貯金や投資はすることが出来ます。
しかし、自分の頭で理解できていないと、私のように不安になるときがいつか来てしまうのではないでしょうか。
だからこそ、本書に書かれている「お金との賢いつきあい方」を学ぶことがそういった悩みの解決策になると考えています。
この記事ではまとめ切れていない要素が本書には他にもたくさんあるので、気になった人はぜひ手に取っていただければと思います。
それではまた!